活動報告:南アフリカ(文:宗村敦子)2018.08.20 宗村敦子 アフリカ
地域:アフリカ
国:南アフリカ
8月29日〜10日にかけて、SKY プロジェクトチームは南アフリカ共和国(以下南アとします)のインド洋に面した港湾都市ダーバンを訪れました。縫製産業を含む労働集約的産業は、最近10年間に通商産業省(Department of Commerce and Industry)が掲げてきた工業化政策の中で、その雇用創出効果を期待されてきたセクターです。とくにクワ・ズールー・ナタール州には大小様々な規模の工場が立ち並んでいます。
今回の訪問ではこれまで日本で開発してきた問題を用い、縫製技術を学ぶ学生を対象とした筆記テストおよび質問表による聞き取りを実施しました。そのために2日間にわたり、ダーバン工科大学(Durban University of Technology, DUT)およびウンフォロージTVET校(uMfolozi TVET College)の150人あまりの学生およびトレイナーの皆様にご協力をいただきました。
今後はダーバンの工場労働者に対して今回同様の筆記試験を行い、また新たに技能試験を実施する予定です。その準備のためチームは被服産業団の南アフリカ衣服・生地協会(the Apparel and Textile Association of South Africa, ATASA)や南アフリカ被服製造者協会(the South African Clothing Manufacturers Association, SACMA) や、トレーニングに関わる機関である、縫製産業交渉評議会(the Bargaining Council)の生産性訓練機構(the Productivity Training Institute, PTI)の皆様と意見交換を行いました。具体的な実施にこぎつけるまでには、南アフリカ被服縫製労働者組合(the South African Clothing and Textile Workers’ Union, SACTWU)からも実技試験への協力いただくことになりました。今年11月までに、上記の内容での工場での技能テストを進めるという合意を得ています。
嬉しいニュースとしては、スキル教育トレーニング公社(Skills Education Training Authority, SETA)からアセスメント運用のための資金援助を承認いただきました。この度の出張ではテストのサンプルを見ていただいたことで、各関係機関の皆様より今後の実技能テストの具体的運営についても積極的にご助言をいただくことができました。調査チームでは今回得られた成果をもとにまず南アの特徴について考察しつつ、さらにアセスメントモジュールの改良を重ねて参ります。(文責:宗村敦子)