活動報告

SKYプロジェクトで行った活動をご報告いたします

SKY[Skills and Knowledge for Youth] ホーム 活動報告・活動計画

【活動報告】国際開発学会第22回春季大会にて、ラウンドテーブル 途上国の産業人材、生産性、カイゼン『途上国の産業人材育成:SDGs時代の知識と技能』出版記念企画が行われました2021.06.23 山崎裕次郎 アフリカ

6月12日に開催された国際開発学会第22回春季大会にて、ラウンドテーブル「途上国の産業人材、生産性、カイゼン−『途上国の産業人材育成:SDGs時代の知識と技能』出版記念企画−」が行われました。本RTでは、2021年2月に出版された『途上国の産業人材育成:SDGs時代の知識と技能』における議論を皮切りに、途上国の産業人材育成に関する現状と展望の意見交換を行いました。

初めに、司会である政策研究大学院大学の大野泉教授より、書籍の紹介および本RTの主旨を、なぜ今、途上国で産業人材育成なのかを踏まえて説明されました。次に、問題提起として京都大学の高橋基樹教授、名古屋大学のクリスチャン・オチア准教授、JICA緒方貞子平和研究所の辻本温史研究員より、カイゼンの途上国への適応、エチオピアの人材育成とキャリアパス、日本の産業人材育成分野における開発協力のそれぞれに関する現状と諸課題を報告されました。

その後、ディスカッサントである明治大学の島田剛准教授、JICA緒方貞子平和研究所の神公明研究員、名古屋大学の山田肖子教授より問題提起を踏まえた議論が展開されました。議論の中で、日本型のカイゼンが生まれた歴史的経緯をたどり、カイゼンの理念を改めて確認し、途上国への適応可能性と諸課題を整理していきました。また、カイゼンを含め、途上国の産業人材育成を考察する時には、目標や実現される型が先行する演繹による考えと、状況や個別特殊性に基づいた帰納による考えの双方を考えていく必要があることが指摘されました。

最後に、大野泉教授より、これらの意見交換を通じて、途上国の産業人材育成に関する議論を深める為には、多面的な視点を取り入れることが重要である点を改めて確認し、本RTは閉幕しました。