現地カウンターパートの研究力向上トレーニングの実施2022.10.15 山田肖子 アフリカ
SKYプロジェクトでは、JICAの草の根支援型事業「中小企業労働者の能力強化に向けた技能評価に基づく訓練導入」として、エチオピアのKaizen Excellency Centerとの協働の下、現地中小縫製業の労働者の能力の把握とソフトスキル向上のため、技能評価とトレーニングを実施する準備を進めています。事業の対象者は企業労働者ですが、それを成功裏に実施し、SKYプロジェクトの支援が終了後も活動を継続できるよう、現地カウンターパートであるKECのスタッフの能力向上と体制整備支援も行っています。
2022年8月21日から9月4日にかけ、SKYプロジェクトスタッフ2名がエチオピアに渡航し、10月から始まる労働者の技能評価、トレーニングのための準備・調整とともに、2日間にわたってKECのスタッフの研究力向上訓練を実施しました。1日目は、研究計画の策定、データ収集や分析手法の選定、サンプリングなどの考え方や手順、2日目は質問紙などによって収集した定量的なデータの簡単な統計分析をソフトウェアを使って実践的に教えました。この訓練プログラムにはKECの研究部門を中心に、縫製業、農業、サービス業などの分野でカイゼン普及活動に従事するスタッフも含め、30名程度が参加しました。
このカウンターパート訓練が実現した背景には、KECスタッフから、研究手法、特に統計分析についての指導を受けたいという要望が度々提起されていたことがあります。参加したKECスタッフたちの中には、新しく研究スタッフとして入った方もおり、彼は「研究をまだ行ったことがないので、リサーチデザインを基礎から知ることができ、今後の研究のために大変役にたった」と述べていました。また、数年従事しているスタッフからは「統計分析を具体的に知ることができたので、これからエチオピアのみならず他のアフリカ諸国でのカイゼンのインパクトについて考察していきたい」と今後の研究に意欲的な姿勢を見せていました。
今回のキャパシティビルディングとしてのトレーニングによって、KECスタッフの研究が活発化することで、弊プロジェクトで得られたデータについても現地の研究スタッフが分析に携わることで、エチオピア国内縫製業の発展のみならず、研究成果においても自立的な展開がされるようになることを望んでおります。
エチオピアでゲームを用いたソフトスキル訓練を実施し、その効果を簡易的な介入実験評価の方法で測定するため、現在、モジュールの最終調整を行っています。今後の展開について、随時アップデートさせていただきます。