アフリカにおけるモバイルマネー事情

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アフリカにおけるモバイルマネー事情

 

近年Fin-Tech (Finance and Technology)がアフリカにおける金融アクセスを大きく変革させています。現在サブサハラアフリカにおける成人の約60%がモバイルマネーのアカウントを所持していると報告されております(Pasti, 2019)。モバイルマネーはインターネットを必要とせず、携帯電話の回線のみで送金、決済が可能なサービスのことで、携帯電話を持っていれば銀行への登録なく使用することができます。アクセスが容易な点から、World Bank (2012) は、“Unbanked”と呼ばれる銀行口座を持たない層にも金融アクセスの機会を提供できるサービスとして注目しています。

Suri&Jack(2016)によると、ケニアの会社Safaricom発祥のモバイルマネーM-PESA(MはMobileのMで、Pesaはスワヒリ語でお金を意味します)の導入が、女性の雇用の創出と貧困削減に貢献していることを明らかにしました。M-PESA以外にもPasti (2019)によるGSMA(Global System for Mobile communications Association) State of the Industry Report on Mobile Money 2018では、M-PESAの他に、マラウィのモバイルマネー、Mowali (mobile wallet interoperabilityから) も今後注目されると報告しております。

一方で、Iwata & Hoskin(2017) は、タンザニアにおけるモバイルマネーの導入により雇用の機会を得た女性のテクノロジーへの理解不足を課題として挙げ、テクノロジーの知識の育成の重要性を指摘しております。このようなことから、モバイルマネーによるFin-Techの恩恵を最大化するには、テクノロジーに対する知識をいかに育成していくかが今後重要になりそうです。

(山崎裕次郎)

 

 

References
Iwata, J. J. and Hoskin, R. (2017) “Technology application in marketing and sales among small-scale catering women entrepreneurs : a case of Moshi Municipality, Tanzania.” Innovation: Journal of Appropriate Librarianship and Information Work in Southern Africa. Vol. 2017. No. 55. pp. 4-25.
Pasti, F. (2019) State of the Industry Report on Mobile Money 2018. GSMA.
Suri, T., and Jack, W. (2016) “The long-run poverty and gender impacts of mobile money.” Science, 354(6317), 1288–1292.
World Bank (2012,April 19) New Database Shows Three Quarters of World’s Poor Are “Unbanked”. Retrieved from http://www.worldbank.org/en/news/press-release/2012/04/19/new-database-shows-three-quarters-of-worlds-poor-are-unbanked.